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「最近、面白い本読みましたか？」 著者インタビュー “本を読んで どうしても 逢いたくなって･･･。” クロワッサン 2002年3月25日掲載
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| 歌はすべての心を包み込み、いとおしむ。 力強く、温かく包み込むような歌声が心に沁みいる。時にはささやき、時には激しく叫ぶ。シャンソン歌手、槇小奈帆さんの歌は生きとし生けるものに対するいとおしさに溢れている。「生命(いのち)が、いとおしくてたまらないのです。誕生って、偶然であり必然。私たちはたまたま、この時代の、この日本に生まれただけ。自分の意思で選んだわけじゃないでしょう？もし、今も砲弾の恐怖に晒されている国に生まれていたらって考えたことありますか？」 槇さんは、実力派シャンソン歌手。東京･渋谷のジァン・ジァン(００年。閉館)をはじめ書劇場中心に活動し、一昨年、オーチャードホール(東京・渋谷)の大舞台でも成功を収めた。本書では生い立ちから、そこに至るまでの心の旅をまとめた。 月並みな自叙伝ではない。 母との確執、恋と夢のはざま、青春の挫折感や、なぜ生きるのかまで、小気味よい語り口で綴られる。著者いわく「イビツな子どもの迷子の記録」であり、「かつての私のような人への愛の手紙」 生後十一ヶ月で父が早世。豊かだった一 家の生活は一転する。女手ひとつで子育てをする多忙な母親を執拗に求め続け、屈折した子ども時代を送る。それは母との確執の始まりだった。 「生まれてこなければ良かったと、ずー っと思っていました。本当は甘えたかったし、愛されたかった。でうまく伝えられなくて。母にしてみれば上目遣いに親を見る反抗的な娘と映っていたでしょうね」 やがて槇さんはアルバイトをしながら 臨床検査技師や臨床病理技術士の資格を取得。文部技官として国立大学に勤める。そして、シャンソンと運命的な出会いをする。「よく聞かれるんです。安定した職から、明日も分らない歌手に、なぜって。私にとってはパズルの最後のパーツがパチンとはまった感じでした。私の居るべきところだって」 歌い続けることで母との関わりを問い 続けた。その母も数年前に他界した。「今、もし『世界で一番美しい言葉は？』って聞かれたら、迷わず、お母さん、と答えます」 |
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